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温泉から匂い立つ人情味

地域と密接に関わりを持つ北投温泉博物館は、この《北投に浸かる》で北投の郷土史を隅々まで調べ、組み立てるだけでなく、個人の歩んできた歴史や家族の記憶から、北投のテロワールが生み出した人・物・事を掘り起こす試みも行っています。今回は「記憶の中の原風景」と題して、北投で育った或いは生活してきた様々な世代の方々に自身の体験談を語ってもらい、温泉の街の過去から現在までの姿を追っています。

 

戦後、1960~1970年代の北投の夜が最も栄えた時期については、「長生堂藥房」の主人・陳國樑さんの回想から、漢方薬局や温泉宿、地元の逸話など、温泉が育んできた繁栄を知ることができます。しかし、1979年以降、北投は廃娼政策によって衰退の一途を辿り、作家の郝譽翔氏は「私が北投と共に歩んだ時間は、北投の辿ってきた道の中でも最もひっそりとした、暗澹たる時期でした。」と語っています。私たちもまた、彼女の歩いてきた道を共に辿って、1980年代へ舞い戻り、北投の歴史の転換期を感じることができるのです。アーティストの雷擎さんが大学生だった2010年代、北投は温泉レジャーやリゾート地として生まれ変わっただけでなく、地元の芸術文化を広める活動も盛んになり、彼の「那卡西(流し)」という曲は、失われつつある故郷の音楽文化を思い起こさせてくれました。

 

そして、様々な世代の青春時代の証言や繰り返し描き換えられていく風景が、半世紀にわたる北投の変化を教えてくれる中で、お話を伺った全員が口をそろえて、ずっと変わらないものは温泉の硫黄の”匂い”だと語っていました。この、身体・感情・記憶をつなぐ”匂い”は、「湯花作」の創業者・毛賢寧氏の長年の努力で生み出された湯の花の商品によって、広く知られるようになりました。また、「拾米屋(Sheme House)」のパティシエ・蘇怡帆さんは、地元のエコフレンドリーな食材とチョコレートをフュージョンさせ、スイーツでこの地域の豊かな味わいと甘さを表現し、また違った癒しの匂いを届けてくれました。

 

今年、北投温泉博物館が東京で開催した「いらっしゃいませ台湾北投in滝野川稲荷湯」は、館長の鍾兆佳氏の様々な企画によって、日台の入浴客が時空を越えて出会い、人々が銭湯で交流を深めていた本来の銭湯文化を体験できるイベントとなり、下町貴族さんも現地で、東京会場の暖かな声をレポートしてくれました。また、日本のお客さんたちに北投の温かさや、何世代にもわたって積み上げられてきた人情味を感じてもらいたいと、長生堂藥房に漢方湯を作ってもらいました。

 

 

記憶の中の原風景

【もくじ】

● 北投文化に浸かる ー 特集

長生堂 二代目主人 陳國樑(チェン・グオリャン)の北投の記憶

癒しの老舗漢方薬局

語り:長生堂藥房 主人・陳國樑

   

作家・郝譽翔(ハオ・ユーシャン)の文学的原風景

小さな温泉街の時空散歩

語り:作家・郝譽翔

 

アーティスト・雷擎(L8chin)のインスピレーション

大屯山から始まる音楽の旅

語り:アーティスト・雷擎

 

● 北投テロワールからの贈り物 ー 癒しの産業

湯花作 創業者・毛賢寧(マオ・シェンニン)の職人魂

北投が育んだ風土の香り

語り:湯花作 創業者・毛賢寧

 

拾米屋 パティシエ・蘇怡帆(スー・イーファン)の身近な食農への道

スイーツから読み解く素材の味

語り:拾米屋 パティシエ・蘇怡帆

 

●ホットニュース ー 日台の銭湯文化交流

いらっしゃいませ台湾北投 in 瀧野川稻荷湯

東京が北投と出会った時、熱い人情の交流が始まる

台湾人 銭湯アルバイター ・ 下町貴族 寄稿