テキスト / 陳頤華

温泉を中心に建てられたこの小さな町は、100年もの間心と体を癒す天然資源を持っているだけでなく、それにより育んだ濃くて独特の文化風情もある。今期の「再現湯の町」は、北投の過去の芸術的な雰囲気を再現する。北投の著名な音楽家である陳明章氏の月琴歌に従って恣意的に踊り、北投の芸術編を作る。昔の「台湾ハリウッド」に戻って北投の歴史家である蘇致亨氏と一緒に北投の古い映画を見て、台湾語映画の重要な拠点がどのように本物の台湾の味を記録した何千本もの映画やテレビ作品を撮影したか了解する。北投文化財博物館の副館長である洪侃氏が説明した「北投焼け」の美しさに耳を傾ける。ここで温泉を開発し職人技を導入した日本人は、関渡平野の広がる丘陵地帯の台地に浸食により生まれた北投土で「北投焼け」を作った。鮮やかな色と繊細な工法で究極の芸術的な形を焼けた。窯が人々の生活に入り、「北投焼けのタイル」が物語の豊かなタイルに変わり、文化史家である康てん錫氏は、視角を拡大して豪華なレストランや信仰の寺院に刻まれた紋様がどのように北投の繁栄を歌い、そしてアートや音楽、歌で北投の生活をつなぎ合わせるか目撃した。

いわゆる「芸術」とは街でも育てる。今期は台湾と日本の距離を越えて同様に3代目の浴場マネージャーである瀧乃湯の林佳慧と小杉湯の平松祐介を招いて、生活と沐浴文化の継承と革新について話し合う。また、デザイナーの鄭培哲氏が案内して壁のない博物館を訪ねる。さらに、在日本の作家である張維中の台日温泉感情により、最も暖かい人間的な価値を感じる。

歴史上の北投の再現は、単に温泉だけなく、少し芸術的な色を加え、地元の音楽を歌いながら、通りの景色を見上げる。北投の芸術は様々な形式があり、かけがえのない優しい「湯の町」に再び足を踏み入れることを待っている。

《浸北投》

第二期｜再現湯の町

【目錄】

●泡一回北投文化｜特輯主題

「台湾月琴民謡祭」へ行こう
北投の空気に漂う月琴の音

—北投音樂人．陳明章　口述

 

台湾のハリウッドへようこそ
北投：台湾語映画の聖地

—影史工作者．蘇致亨　撰文

 

「北投焼」に焼き付けた土地の記憶
小さな町の風土から生み出した台湾の磁器産業

—北投文物館 副館長．洪侃　撰文

 

温泉郷のタイル史
寺院の絵タイルが語る北投の物語

—文史工作者．康鍩錫　撰文

 

●浴場閑談｜跨界對話

北投「瀧乃湯」主理人 林佳慧 X 東京「小杉湯」主理人 平松佑介
街の人情をめぐる銭湯秘話

—瀧乃湯浴室 主理人．林佳慧　　口述
　東京小杉湯 主理人．平松佑介　口述

 

●時光案內｜文化帶路

北投のデザイナー鄭培哲がご案内！
温泉郷の壁の無い博物館へ行こう

—設計師．鄭培哲　帶路

 

●熱力發信｜台日浴場文化觀點交流

日本在住の作家、張維中から見る台湾の温泉事情と日本の銭湯文化
湯けむりの中で

—作家．張維中　撰文